オーストラリアには多種多様な交通機関がありますが、離れた土地で観光などをする場合は車やバイクの使用が大変便利です。長期滞在の方だけでなく、短期滞在の方でも免許を取得しておいて損はありません。
今回はオーストラリアで車の運転免許証を取得する3つの方法とそれに伴う条件をNSW州を例にご紹介します。そして最後にバイクの免許についても解説します。
1.国際運転免許証を取得する
ワーキングホリデーや留学生の方の多くは国際運転免許証を取得しています。
国際運転免許は基本的に日本国内からの申請が主なため、オーストラリア渡航前の取得がお勧めです。渡航後の、親族などの代理人を立てれば可能です
国際免許証は有効期限が1年となっています。そのため1年未満で期限切れになる運転免許証では申請を行うことが出来ません。また、免許停止中の方やこれから免許停止処分を受ける方、そして大型特殊免許、小型特殊免許、原付免許または仮免許のみ持っている方の場合は取得が出来ません。
申請場所
- 各都道府県指定の警察署
- 運転免許試験場
- 運転免許更新センター
本人申請の際の必要書類
- 運転免許証
- パスポートなどの渡航を証明するもの
- 古い国際免許保持者の場合はその国際免許証
- 証明写真(縦5cm×横4cm)*無帽、正面、顔中心、無背景、申請前6か月以内のもの。パスポート用と同じサイズ。
渡航を証明するものとして他に留学証明書、VISAの書類などの印刷されたものも用意しておくと便利です。
代理人による申請の際の必要書類
- 運転免許証
- 未使用のページを含めたパスポートのコピー
- 証明写真(縦5cm×横4cm)*無帽、正面、顔中心、無背景、申請前6か月以内のもの。パスポート用と同じサイズ。
- 代理人あての委任状
- 代理人の身分証明
*パスポートは出入国記録のスタンプが押印されているものが必要です。出入国の際、自動ゲートを使用した場合はスタンプが押印されていないため、法務省から出入国記録を取得する必要があります。
2.オーストラリアで運転免許を取得する
NSW州の運転免許証を取得したい場合は、次に紹介するの4つの段階をクリアする必要があります。
オーストラリアでは、私たちが認識している一般的な運転免許はフルライセンスと呼ばれます。
フルライセンスを得るまでに日本でいう仮免許の様な段階が3つあり、そこで長い期間を要するのが特徴です。そのため長期滞在可能な方でないと取得は困難となります。
取得の際は最寄りの教習所をService NSWのサイトから探しましょう。
4つの段階にはそれぞれ条件とルールが定められています。
1.Learner license
Learner licenseはフルライセンスに至るまでの最初のステップで、フルライセンスを持つ運転手の監督の下、運転技術を学びます。
運転経験を積み、必要なテストに合格することでスキルと知識を身につけることを目的としています。
【Learner license取得条件】
- 16歳以上
- 適切な身分証明
- 視力検査の合格
- 運転知識テストの合格
2.Provisional P1 license
Provisional P1 license (Red Psとも呼ばれます) の取得の段階では、監督なしで車を運転できます。
【Provisional P1 license取得条件】
- Hazard Perception Test (HPT)の合格
- 視力検査の合格
- 運転試験の合格
- 25歳未満の場合以下の要件を満たす必要があります。
-Learner licenseを少なくとも12か月保持
-Learner licenseの記録帳に120時間の運転記録(20時間の夜間運転を含む)の記録がある
3.Provisional P2 license
Green Psとも呼ばれるProvisional P2 licenseはフルライセンスの一歩手前です。ほとんどの場合オンラインでの申請が可能です。
【Provisional P2 license取得条件】
- Provisional P1 licenseを12か月以上保持
4.Full license
P2 licenseを最低でも2年間保持することで完全な運転免許証を取得出来ます。
【Full license取得条件】
- P2 licenseを少なくとも2年保持
- 視力検査の合格
*Driver Qualification Test (DQT)の合格は撤廃されました。
3.日本の運転免許書をオーストラリアのものに切り替える
オーストラリア居住者である場合、3か月間は日本の免許証でNSW州内を運転することが出来ます。しかし3か月以内にサービスセンターへ行きNSW州の免許証に変更する必要があります。
申請の必要書類
- 日本の有効な運転免許証
- NSW州承認の日本の運転免許証英語翻訳バージョン
- パスポートなどの身分証明
- コンタクトレンズ、または眼鏡(使用している場合のみ)
- 運転するために必要な医療証明書(該当する場合)
- 支払い
- 免許証申請書(PDF)
短期滞在者
短期滞在の場合は次の条件を満たしていれば、日本の免許証を使用してNSW州での運転が可能です。
- 一時的なオーストラリア滞在者である
- 日本の有効な免許証を所持している
- NSW州、又はその他の州でのライセンスの一時停止や取り消しをされていない
- 免許証を携帯している
- 免許証の英語翻訳を所持している
※英語翻訳がなされていない場合は、州公認の機関(Service NSW)で翻訳を頼みます。国際運転免許証がある人は大丈夫です。
これらの条件を満たし、警察に求められた場合に自身の身分を証明できる場合は、NSW州の免許証は必要ありません。ただし必要に応じて短期滞在者でもNSW州の運転免許証の取得が可能です。
その場合免許証の表側にQの文字が表示され、「永住権の証明が提供されていない証拠」が裏側に印刷されます。
バイクの運転免許書
オーストラリアでは日本の免許証のように、原付、小型、そして大型など種類に応じての免許証はありません。すべてのバイクを一つの免許証で乗ることが出来ます。
そのため、日本で中型免許を取得している場合、オーストラリアで大型の車両に乗ることが可能です。
オーストラリア国内でバイクの免許証を取得する場合
車の運転免許証と同じく4つの段階があり、取得までに長い期間を要します。そのため長期滞在の方にお勧めします。
Learner license
Learner licenseはオートバイ、モータースクーター、又は三輪スクーターをNSW州で運転する資格を得る最初のステップです。
【Learner license取得条件】
- 生後16歳9か月以上であること
- ライダートレーニングが利用できるエリアに住んでいる場合はpre-learner courseを完了すること· 運転知識テストに合格する
バイクの運転免許証を申請するために車の運転免許証は必要ありません。
Provisional P1 license
Provisional P1 licenseの取得には以下のことが求められます。
- 17歳以上であること
- Learner licenseを3か月以上保持している
- ライダートレーニングコースを利用できる地域に住んでいる場合はモーターサイクルオペレータースキルテストを含むpre-provisional courseを完了すること
- 又は、ライダートレーニングコースが利用できない地域に住んでいる場合は、サービスセンターでの乗車テストに合格すること。。
Provisional P2 license
Provisional P1 licenseを12か月以上保持している場合、Provisional P2 licenseを申請できます。
25歳以上でオーストラリアの車のフルライセンスを保持している場合は、Provisional P2 licenseの段階を完了せずにバイクのフルライセンスを取得可能です。
Full license
Provisional P2 licenseを2年以上保持している場合、バイクのフルライセンスを申請できます。
現地で使える身分証明書が欲しいなら
「運転はしないけど、パスポート以外の身分証明書が欲しい」という方は、州政府が発行する公式のIDを取得するのがおすすめです。
詳しくは以下の記事に書いてありますので、ご確認ください。
オーストラリアで使える免許をゲットしよう
紹介したように免許取得には様々な方法があるので、自分に合った方法を見つけてください。
留学生の方は長期や短期滞在問わず、日本で渡航前に国際免許を発行しておくと便利だと思います。国際免許を取得する予定のない方は、日本の免許証と正式な英語翻訳された免許証があると3ヶ月間は運転できるので安心です。
長期滞在の方で日本の免許を持っていない場合は、現地の人と同じように一からオーストラリアの免許を取得するのもいいでしょう。オーストラリアは広大な土地があり、普段の場所から遠く離れた地域を観光しながら運転するのも楽しいですよ。
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