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医者や看護だけじゃない!オーストラリアのマイナーな医療資格10選

顕微鏡を見る医療関係者のイメージ写真

医療資格と聞くと医師や看護師を思い浮かべる人が多いのでは。しかしオーストラリアで学べるコースには、それ以外にもたくさんの資格があります。

経験者はもちろん、未経験者でもチャレンジできるコースがあるので、新たな医療キャリアの可能性を広げましょう。

目次

オステオパス|整体・整骨

カイロと同様、日本では擬似医療行為として無認可でも出来る整体の一種ですが、オーストラリアでは医療行為と認められており、体系的に学ぶことも、資格をきちんと得ることも出来ます。また他の医療関係資格と同様、オステオパスも人材不足であるため、卒業後の就職率も高く、何より永住ビザも取得しやすい資格の1つとなっています。

オステオパスの考えは、体の諸器官や組織は相互に関連し、機能しており、自己治癒力を備えていて、その自己治癒力を超える外的あるいは内的な変化が生じたときに病気=機能障害が発生、その機能障害を諸器官(筋肉、骨格、神経、関節、循環器など)の観察の中から発見し、整えることで健康に導くという手法です。

ですから、オステオパス(Osteopath)の語源は骨の治療という意味なのですが、日本語では体と整えると言う意味で整体と定義したほうが良いでしょう。

日本で経験がある方はもちろん、これからチャレンジされる方でもオーストラリアでオステオパスの資格を得て、オーストラリア国内はもちろん、日本や世界で活躍することを目指してみてはいかがでしょうか?詳しくはお気軽にお問い合わせください。

カイロプラクティック

カイロプラクティックという言葉は、なんとなくは知っていても正しく認識している人は少ないのではないでしょうか?カイロでは、脊髄などのゆがみが疾病の原因になるという考えに基づき、そのゆがみを正すことで自然治癒力によって治療する療法です。整体と似ているイメージもあることから関節や筋肉、骨などの治療と思われがちですが、そこからくる神経系の機能改善から、全体的な健康まで治療あるいは予防していきます。

日本では医療行為とは認められていませんが、一般医療だけではなく、補完医療も先進国といえるオーストラリアでは、このカイロプラクティックも、医療行為と認められており、治療や開業の為には資格が必要です。また、日本よりもはるかに一般的に開業されており、診察に訪れる方も少なくありません。

日本ではそもそもカイロの資格がないため、カイロの学校と言ってもいろいろな形態の学校が存在していますが、オーストラリアでは3年の学士+2年の修士の計5年、しっかりと勉強する必要があります。生物学、神経学、病理学、生理学などからX線の撮影まで学びます。

この資格も他の医療関係と同様に人手不足と言うことで永住ビザにも有利になっていますから、オーストラリアで活躍するもよし、日本に帰って「本場」のカイロプラクティックを広めるもよし、様々な可能性があります。

ポディアトリスト|足治療師

足の疾病治療の専門家で、麻酔や薬の処方も可能です。足の皮膚疾患(水虫など)だけではなく、外反母趾治療、かかとから膝まわりの治療なども対応します。

治療だけではなく変わったところでは、シューズメーカーで靴の開発に従事したりすることもあります。足に合わない靴をはいていると、足そのものはもちろん、膝、腰、肩や首など体全体に悪影響が及んでしまうことも多いようで、その予防のための靴作りに一役担うと言うわけです。開業も出来ます。つまり、足治療師が開業できるほど一般的でなじみある職業と言うことです(人材は不足していますが)。


また近年の研究では、足に限らない疾患、症状の改善や、体全体の能力の向上を脚から考えて行こうという専門家もかなり多くなってきているようです。確かに昔から、脚は第二の心臓とも言われてきましたし、足裏のつぼも全身に効くようですから、逆に脚を見ることで他の部位にも影響を与えられることもあるように思われます。

作業療法士

作業とは何でしょうか?仕事だけではありません。仕事も含まれますが、人々が日常生活における様々な活動、つまり趣味、日課、休息といったことが作業と定義付けられています。そして、事故や病気、高齢などの理由で一般の作業が出来なくなった方や、身体障害者を対象としたリハビリ医療を作業療法と呼びます。

作業療法は、身体的または精神的な理由で故障されている方を対象に治療およリハビリを行って、患者が日常生活が送れるように支援し、積極的に社会復帰の手伝いをする作業セラピストを育成する学問です。

作業療法は理学療法と同様に、リハビリを行っており多くの場面でどちらものの知識が必要とされえるので区別が難しいところですが。簡単に言えば理学療法は、身体的な障害をサポートしていく一方、作業療法は身体的治療に加えて精神的な治療まで並行していくことが多々あります。

理学療法士

オーストラリアでキャリア・チェンジを図る人も、永住ビザを取得したい人にも有利な資格は医療関係全般の資格です。なかでも看護資格が大変人気がありますが、その他で特に紹介したいのは理学療法(Physiotherapy)のコースで、こちらも看護ほどではないもののとても人気の高いコースです。

一般にはあまりなじみのない言葉なので「人気コース」というのには違和感があるかもしれませんが、実はオーストラリアで正規留学を希望してキャリア・アップを考えている人にはかなり人気の高いコースです。オーストラリアは医療関係の研究は世界的にもかなり進んでいるのですが、この理学療法に関しては世界でもトップと言われています。

理学療法とは、身体に障害のある人に対し、運動療法・マッサージなどにより、リハビリテーションとして行う治療と認識されていて、そうしたことも含みますが、実際にはもっと幅広く身体的障害の回復を図っていく治療法です。スポーツ大国であるオーストラリアでは、スポーツ関連の理学療法教育も盛んです。

この理学療法はどの学校でも学べるわけではないのですが、一部のオーストラリアの大学、大学院でコースを設けています。オーストラリアでは人手も不足していますので、永住ビザの取得にも有利な学科の1つです。

日本の理学療法資格は残念ながらオーストラリアでは認められておらず、オーストラリアで理学療法士として活躍するには、「Australian Physiotherapy Council」認定の試験をパスするか、認定の大学、大学院で学位を取るか、のいずれかの方法を取る必要があります。大学で学ぶ場合、通常4年(大学院2年)ですが、日本の資格保持者については履修単位の免除がわずかながらも認められる可能性があります。

永住ビザ取得に有利と書きましたが、日本人留学生の場合、だいたい半数弱は日本に帰国して、レベルの高いオーストラリアで学んだことを活かすことでキャリア・アップを図っているようです。

また、永住ビザを取得した方は、地元の病院などで活躍されていますし、開業することも出来ます(日本では、理学療法士は開業できない)。学位取得はハードですが、医療の最先端オーストラリアで学んでキャリア・アップするも良し、あるいはキャリア・チェンジ+永住ビザ取得をお考えのあなたにもお薦めコースの1つです。

理学療法が学べる主な大学
学部(4年)
シドニー大学、モナッシュ大学、ジェームスクック大学、クイーンズランド大学、ラトローブ大学、セントラルクイーンズランド大学、南オーストラリア大学、オーストラリアンカソリック大学、カーティン大学、ニューカッスル大学、キャンベラ大学、チャールズスタート大学

理学療法が学べる主な大学院
(1年~2年、資格取得のためのコースは2年)
シドニー大学、グリフィス大学、カーティン大学、キャンベラ大学、南オーストラリア大学、ボンド大学、西シドニー大学、メルボルン大学、ラトローブ大学

放射線技師

医療関係で資格を得る、オーストラリア留学すると言えば一般には看護師ばかり注目されていますが、医療関係の資格は全体的にみて、経験者はもちろん、未経験者でも十分にチャレンジできる資格です。医療系=医師、看護師だけではありません。どの国でも、医療関係の資格を取得するには十分な実習期間が必要なのですが、逆にその実習があるからこそ、未経験でも卒業後に仕事を得ることができると言えます。

その中でも放射線技師の資格について紹介します。

オーストラリアの学生ビザ申請する際、必ずレントゲン撮影が必要になりますが、それも放射線技師の仕事の1つです。昔は(日本では)X線技師、レントゲン技師などと呼ばれていましたが、今ではかなりその業務も多様化、細分化されており、レントゲンだけが業務ではなくなっているため、日本では放射線技師、診療放射線技師と呼ばれています。

放射線を使った治療や検査は、昔は医師が行っておりましたが、近年では放射線診療技術が高度になり、専門職として放射線技師という職種(資格)が生まれました。医療分野は現代では、細分化・分業化が進んでおり、チーム医療の一員として、放射線技師は不可欠な存在となっています。

また予防医学の最先端を支える職業であるため注目度が高まっていますし、放射線を扱うということで、医療以外でも原子力発電所(日本の場合ですが)、大気、水質などの公害測定などの分野での活躍も見られます。

医療における主な業務は、レントゲン撮影、CT検査、血管撮影、核医学検査(ラジオアイソトープ=組織、臓器や病巣の働きを観察)、MR検査(電波と磁石を利用しX線検査では見えにくい情報を画像化する検査方法)、超音波検査(エコー検査)など。つまり特殊技術を使って体の内部の撮影を介しての診療や治療のサポートから、放射線照射による具体的な疾患の治療まで多岐に渡ります。

このようにさまざまな器具、設備を扱いその用途も異なる場合もあるので、オーストラリアではさらに細分化されています。
キャリア・チェンジに向く理由は、実習が十分あるからだけではありません。御多分に漏れず、オーストラリアでも人手が不足している職種の1つだからです。

検眼士

検眼士は、日本では国家資格にはなっていませんが、オーストラリアをはじめとする欧米諸国では、検眼士は国家資格になります。大学レベルで数年間、眼の解剖学、生理学をはじめ、物理光学、基礎的な医学、視科学など眼の医学と, 検眼、眼鏡調整、コンタクトレンズ処方等の実際技術を学び、資格を得ます。この資格は、眼の視覚機能の医師資格ということになります。

日本では、眼鏡を作るときに簡単な検査だけで作れるのですが、オーストラリアではかなり細かく、時間をかけて、目にあう眼鏡、あるいはコンタクトレンズを作ります。目はいうまでもなくきわめて大切ですし、視力低下や眼精疲労が体全体の健康に悪影響を及ぼすこともよく知られていますが、その割には日本では検眼の扱いが低いと言わざるを得ません。

オーストラリアでは前述の通り検眼士は国家資格でありますが、これはつまり、目を大切に扱っているという意思表示とも言えるのではないでしょうか。こちらでは、検眼はオプトメトリストが行い、販売はオプティシャン(眼鏡販売員)が行うのですが、日本では販売員が検査をしていると言えます(認定眼鏡士という、類似の認定資格は日本にもありますが、必須の資格ではない)。

臨床検査技師

医療現場の専門性の細分化により、以前は医師が行っていた臨床検査を行う専門家です。日本では専門学校や大学を経て国家資格を取得しますが、オーストラリアでは大学に進みます。技師というと英語ではtechnologistという訳になりますが、この場合オーストラリアでは科学者Scientistと訳されます。日本では臨床検査技師という呼び名が一般的ですから、この項でもその名称で呼びます。

臨床検査技師は、血液検査や尿検査、細胞の検査など、医療分野での幅広い範囲での検査業務と研究業務全般を扱います。直接患者と接する業務ではなく裏方的な仕事になりますが、検査結果を元に医師などのスペシャリストが判断を下すわけですから、大変重要かつ不可欠な業務の1つです。

医療関係に従事したいが、英語でのコミュニケーションに不安がある場合、この臨床検査技師を考えてみても良いと思います。もちろん他の医療系スペシャリスト職でも、就学しているうちに英語コミュニケーション能力はアップしますし、この検査技師もコミュニケーションがないわけではありませんが、英語を母国語としない外国人にとっても働きやすい環境であると言えると思います。

そう、この職種も資格を持っている人が多くない為、就職や永住ビザに有利な資格で、目指す人は多くないかもしれませんが、日本人にとって資格取得の難易度(低いわけではありませんが、他の医療関係資格よりはハードルが低い)、仕事の得やすさ、働きやすさ、という要素から穴場的職種の1つだと言えるでしょう。

コース自体開講されている大学が多くありませんので、注意が必要です。

言語療法士

日本では言語療法士、言語聴覚士と呼ばれていますが、この資格も他の多くの医療関係資格と同様に、オーストラリアで人手が不足している職種の1つです。それまでの取得学位にもよりますが、最短2年で資格が取得できますし、何より文系学部卒の方でも、大学院の2年コースに直接進める可能性があります(ほかの多くの医療資格では、非医療関係、非理系学部卒の方のキャリア・チェンジを狙った資格取得の場合、3~5年かかることが多くなっています)。ただし、入学審査条件や英語要求レベルは高くなります。
言語療法とはそもそも何かといえば、言語機能つまり発声や聴覚に関する障害や、嚥下障害(発達障害や病気、その後遺症、加齢などで咀嚼機能が低下すること)のある人に対して、それらの関連器官の機能向上を図るべく、訓練(リハビリ)指導や検査を行うことです。

「言語」療法ですから、英語でそれを行うのか…と難しく感じる人もいるでしょう。もちろん英語圏の国ですから高い英語力が求められますが、英語を教えるわけではなく、言語機能(または嚥下機能)の維持、向上のための医療技術ですから、英語を母国語としない外国人が習得することもまったく不自然と言うことはありませんし活躍できる分野です。

Speech Pathology Association of Australia(SPAA)という認定団体の認可コースを修了するか、あるいは海外の資格保持者の場合、英語力や職歴、そして学位レベルでオーストラリアのSPAA認定コースと同等の学位があるかどうかを審査してもらうこともできます。

ただし日本の言語聴覚資格の場合は2~4年の専門学校で資格取得をできますが、 SPAAコースが求める基準は大学か大学院ですので、日本の資格保持者の場合、他の多くの資格と同様、SPAAの資格審査の時点ではじかれてしまう可能性が非常に高いということがいえます。逆に日本の大学で何か他の医療関係、心理学、などを修得した上で言語療法資格保持者ということであれば、SPAAの審査にパスする可能性は多少なりともあります。

ほかの多くの医療系資格と同様、オーストラリアで人手不足、つまりオーストラリア永住ビザの取得にも有利な資格です。難易度は高いといえますが、チャレンジする甲斐のある資格、仕事だと思います。

バイオメディカルエンジニア|医用生体工学

バイオメディカルエンジニア(医用生体工学)とは、医学と工学を融合した分野で、工学技術を医療に応用、あるいは生体の仕組みを工学に応用する学問です。その応用例として様々な医療検査機器、人工心臓などの臓器、医療用ロボット、DNAコンピューティングなどがあげられます。医療においてのみを見ても予防、診断、そして治療とが一体化した未来の医療システムの構築に貢献することは間違いありません。

このページを読まれる前に、本サイトの「工学」を読まれた方はピンと来たかもしれません。この分野もオーストラリアが世界に誇る分野の1つです。少子高齢化が進む中、社会を持続的に発展させる為、健康と社会福祉に貢献できる、やりがいのある医療・工学分野です。

本専攻の領域は、概ね「物理、電気、機械系」と「化学、材料、生物学系」の2つにわけられ、そこからさらに細分化されます。
工学関係の別の分野からの転身、理学系や医療関連からの転身はもちろん、まったく畑違いの分野からの挑戦、高校を出て大学に進学する際の選択肢、いずれの場合も意義のある学びとその後のキャリアになることは間違いないといえます。

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